縄文時代の人々の暮らした歴史が色濃く残る北海道・北東北の縄文遺跡群。未来へ受け継ぎ、守るべき貴重な遺産であることから、2021年に世界文化遺産に登録されました。
本記事では、北海道・北東北の縄文遺跡群の見どころや、おすすめ観光スポット、三内丸山遺跡を含んだ1泊2日のモデルコースも紹介しています。
北海道・北東北の縄文遺跡群とは?
出典:【北海道・北東北の縄文遺跡群公式サイト】https://jomon-japan.jp/
北海道・北東北の縄文遺跡群とは、北海道、青森、岩手、秋田にまたがり、縄文の人々の生活と文化を伝える文化遺産のことを指します。
構成資産は、以下の17資産です。
・史跡 垣ノ島遺跡(北海道)
・史跡 北黄金貝塚(北海道)
・史跡 大船遺跡(北海道)
・史跡 入江・高砂貝塚【入江貝塚】(北海道)
・史跡 キウス周堤墓群(北海道)
・史跡 入江・高砂貝塚【高砂貝塚】(北海道)
・史跡 大平山元遺跡(青森県)
・史跡 田小屋野貝塚(青森県)
・史跡 二ッ森貝塚(青森県)
・特別史跡 三内丸山遺跡(青森県)
・史跡 小牧野遺跡(青森県)
・史跡 大森勝山遺跡(青森県)
・史跡 亀ヶ岡石器時代遺跡(青森県)
・史跡 是川石器時代遺跡(青森県)
・史跡 御所野遺跡(岩手県)
・史跡 伊勢堂岱遺跡(秋田県)
・特別史跡 大湯環状列石(秋田県)
また、世界遺産に登録はされていませんが、以下2つの関連遺跡もあります。
・史跡 鷲ノ木遺跡(北海道)
・史跡 長七谷地貝塚(青森県)
北海道・北東北の縄文遺跡群の見どころを紹介
出典:【北海道・北東北の縄文遺跡群公式サイト】https://jomon-japan.jp/learn/jomon-sites/kitakogane
北海道・北東北の縄文遺跡群は、遺跡によってステージが異なります。ステージとは、縄文時代の中での生活のステージの変化のことで、6つに分けられています。
ステージⅠが、定住の開始、ステージⅡが定住の発展、ステージⅢが定住の成熟となります。その3つのステージをさらに2つに分け、
・ステージⅠa(居住地の形成)、ステージⅠb(集落の成立)
・ステージⅡa(集落施設の多様化)、ステージⅡb(拠点集落の出現)
・ステージⅢa(共同の祭祀場と墓地の進出)、ステージⅢb(祭祀場と墓地の分離)
の6つに分類されています。
それぞれの遺跡で、縄文時代の生活の変化を感じられるようになっているのが北海道・北東北の縄文遺跡群の見どころです。
どのステージの遺跡を見たいのかで見学する場所を選ぶのもおすすめです。
北海道・北東北の縄文遺跡群のおすすめ観光スポットを紹介
北海道・北東北の縄文遺跡群の中でも、見ておくべきおすすめの観光スポットをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
特別史跡 三内丸山遺跡(ステージⅡb)
出典:【北海道・北東北の縄文遺跡群公式サイト】https://jomon-japan.jp/
今から約4000〜5500年前の縄文時代の集落跡を見ることができる場所です。想定復元された多くの建造物を見ることでき、当時の暮らしを垣間見ることができる貴重な史跡となっています。
三内丸山遺跡への玄関口となる縄文時遊館は、施設内に体験施設が設けられ、ミニ土偶のアクセサリー作りや縄文グッズ作り、三内丸山遺跡からの出土品が展示された縄文シアターなどが併設されています。
また、1時間ごとに無料のガイドツアーも開催されており、縄文の歴史について面白おかしくガイドさんが解説してくれます。三内丸山遺跡について楽しく学べると評判のツアーです。ツアーの所要時間は約50分なので、ぜひ体験してみてください。
亀ヶ岡石器時代遺跡(ステージⅢb)
出典:【北海道・北東北の縄文遺跡群公式サイト】https://jomon-japan.jp/learn/jomon-sites/kamegaoka
縄文時代晩年の遺跡である亀ヶ岡石器時代遺跡。ふくよかな体型に独特な目が特徴的な遮光器土偶が発掘されたことでも有名です。
亀ヶ岡石器時代遺跡からは、他にも様々な出土品が見つかっており、どれもデザインが特徴的で美しい物ばかりです。江戸時代には「亀ヶ岡物」は優れた芸術品として扱われていたんだそう。
事前予約不要で無料のガイドを聞けるサービスもあります。(団体の場合は、1週間前までに要予約)
垣ノ島遺跡(ステージⅠb)
出典:【北海道・北東北の縄文遺跡群公式サイト】https://jomon-japan.jp/learn/jomon-sites/kakinoshima
国内最大級の盛土遺構(もりどいこう)を見ることができる遺跡です。長さ190m、幅120mもの大きさがあり、コの字型に形作られています。コの字の真ん中は小高い丘になっていて、ここが祭祀・儀式の祭壇として使われていたとして考えられています。
垣ノ島遺跡には、土器の野焼きなどを体験できる体験学習施設も併設されています。特に人気なのが、実際に土器や石器を掘り起こすことができる発掘体験です。
4/15〜10/31の期間11:00〜と14:00〜の毎日2回開催されており、参加費は無料なので見学の際はぜひ体験してみてください。
小牧野遺跡(ステージⅢa)
出典:【小牧野遺跡公式サイト】https://komakinosite.jp/index.php/intro/about-komakino.html
小牧野遺跡は、大規模な環状列石を見ることができる遺跡です。環状列石は、埋葬や儀式などに深く関わっており、縄文人の組織力を量れるものでもあります。
小牧野遺跡では、環状列石の他にも竪穴式住居跡や湧水遺構、土器棺墓、貯蔵穴などが見つかっています。土器棺墓とは、一度埋葬した骨を数年後に取り出し、土器に入れて再び埋葬する施設のこと。
小牧野遺跡保護センターでは、小牧野遺跡での出土品を見ることができたり、企画展示室、体験教室などがあります。